2015-12-29 秋天 やれ、空へ一つの旗を掲げおりここに居るよとわれは惑いて 居:お 秋雨は音叉ふるわせこの道を戻るなかれと過ぎてゆきたり 加害者であるべきことの仕方なく問わず語りに剥がれゆく空 秋天の福音つげる雲たかく羊いっぴきを贖罪として 思う、とはいつかかならず戦ぐもの薄荷のごとき傷の残れり 戦:そよ 白秋の雨ゆるやかにさよならもきみの暦へ消えてゆきにき かの地へと流れつくよう祈る手の割れてあらわる秋天の舟 歌うたう風のがしたる羊歯類のみっしりとあり雨の降るらん