風つよくむすめは背中おされゆく振りかへり「うん」と言ひ残しき ただ別れまた会ひまみえる日の遠くわれは待ちなむ月を仰ぎつ しあはせは遠い空から降ると言ふ突然ながる涙のありぬ 暮れなづむわれの思ひをひと息に飲み干す酒はあらざり モカを 残されしチョ…
師走なり骨を鳴らして膝たたき「さあて」と立てば継ぎ目なき空 どうどうと夢の中ゆく牛のゐて賢者の草を反芻しをり 雪虫のひとつふたつと告げにくる母の逝きたる日の近づくを 冬の夜の立たされ坊主はらはらと屑となりたる星の降りしく 遠くまで流れる舟を思…
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