2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

梅雨二首

梅雨空へ爆ぜる音してぽつぷこうん甘きかほりの満ちゆく厨 甲虫のたたみ損ねし翅は濡れそれでもなを低き梅雨空よ

鳥籠

ざわざわと同じ夢見るこの胸はなに飼ふ鳥籠開襟シャツ着る

梅雨入り

短調といふ音楽理論知らねどもただただセロの切なき梅雨入り

題詠「酒場」

つかのまの慰安と不安交差する酒場を我の兵站として 黎明に前後不覚の悔しみを酒場に預けて始発を待てり アナキスト酒場で酔へば雪の降る医者は戒厳令をしきたり 乱痴気の酒場墓場の亡者たち逃亡するにも明日はどっちだ

題詠「命」

懸けるものなくして命何ならむ生きながらへて陰暦に棲む

題詠「酒場」推敲中

悔しみの酒場ばらばら咲く花の散らして紅き月夜を帰る

水無月の蠅は黒点何を待つ梅雨のにほひよ白き紫陽花

雷の轟きよりもうち震へ何を求めむ野良の犬たち雷 = いかずち