2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

8月15日

王様は裸だと言ひえず諦念の白木の箱の石の軽さは 抜け殻も残せぬ人のひと夏に遺骨がころんと鳴ひて正午

母歌

燃やすため一輪にぎるこの右手母はそのため吾を生まざるを 形而下に朽ちゆく身体を畏れつつわれ母を二度葬らむとす 形而上葬らむと添い寝するドライアイスの母は冷たき 路地裏をキリコのやうに帰りくる少女見おろし母も小さき 「きれいや」と漏れし遺言神々…

ためていた短歌

炎天に溶けるもの溶け溶かされぬ思いのみ持てかげろうの立つ 関節に思いを溜めて指指は節くれだつた言葉を並べ 君といふ万有引力狂ふとき蛇一匹我が水面を裂きぬ 寝返りを続けつづけて昼寝などあきらめヴギィを聴いてをりたり 生ごみは明日のあした青くさき…