ためていた短歌

炎天に溶けるもの溶け溶かされぬ思いのみ持てかげろうの立つ


関節に思いを溜めて指指は節くれだつた言葉を並べ


君といふ万有引力狂ふとき蛇一匹我が水面を裂きぬ


寝返りを続けつづけて昼寝などあきらめヴギィを聴いてをりたり


生ごみは明日のあした青くさき明日はけふをふくろにつめて


炎天に空の虫かご置き去りに我を放たむ夏の命へ


その青は平面なれば一枚の鏡のごとく失せもの映し