メール終へ震へてゐたる指先のその先にある死のやうなもの 礼を欠くそんな気がして風の日にマフラー巻かず会ひに行きたり 改札を抜ければもはやモノクロの映画の中に入り行くやう 肺水腫なぜその川を渡つたかベッドの上の溺死といふや 目のまへの死をいかん…
ひとつしか星見あたらずかりそめの命乞ふごと祈りをりたり 晩秋になにを惜しめり往くものは去るにはあらず鶏頭の紅 誰そ彼の墓苑のごとき高層の窓辺に人は喪服で立てり 手品師の鳩になりたき日々のあり風切り羽のなき日でありき 柿ひとつ卓のま中にゆふばえ…
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