2010-12-10 逝きしMへ捧ぐ六首 メール終へ震へてゐたる指先のその先にある死のやうなもの 礼を欠くそんな気がして風の日にマフラー巻かず会ひに行きたり 改札を抜ければもはやモノクロの映画の中に入り行くやう 肺水腫なぜその川を渡つたかベッドの上の溺死といふや 目のまへの死をいかんせん唇の赤々として横たはりをり 日没のうつくしければけふの日を終へてもよしと歩み速めり