逝きしMへ捧ぐ六首


メール終へ震へてゐたる指先のその先にある死のやうなもの



礼を欠くそんな気がして風の日にマフラー巻かず会ひに行きたり



改札を抜ければもはやモノクロの映画の中に入り行くやう



肺水腫なぜその川を渡つたかベッドの上の溺死といふや



目のまへの死をいかんせん唇の赤々として横たはりをり



日没のうつくしければけふの日を終へてもよしと歩み速めり