2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧
いろはにほへとこふことは寂寂寂と竹林抜ける寒の夕べに
来し方に黎明ありて行く末に問うことの意味さらに問われて
歓談を人指し指で禁止され兵馬俑らの朝礼始まる
見つめると一瞬怯みて秒針は待つ身もメロス時を早めり
月明かり仄かな部屋のジムノペディ凡庸憂い素となりて満つ
彩られ明かされ尽くし摩天楼すでに闇なしこふこともなし
三十年握りし硬貨ポケットで腐臭を放ち通用せずに
雨の日の午睡醒めれば夕映えの......部屋にチェロの音重く満ちゆき
立ち止まりオリオン仰げば三つ星の冬の切っ先喉元にあり
手品師も鳩解き放ちポケットに聖戦の薔薇火薬のにほひ
独り言聞きたき夕べは裏山の古墳に行きて石を集めり
鉄棒に吾子は耳あて言葉より速き思いの信号を待つ