2011-12-25 七首 採血のまなぶた閉ぢるつかのまに子供とかへるうしろの正面 さびしさを糸でかがればかぎ裂きのかたちしてをり棘のあるらし 朝からの雨降りやまずあさがほの枯れたる蔓のいまだ絡めり まだ若く巡り会ふべき人たちを知らずに弾きし春のオルガン ふたつみつ街の灯ともり始まりか終はりか知れぬ家路につかむ 朝刊の訃報欄から見るならひ二年まへから始まりにけり 蜩をいちども聞かず晩秋の風のうたこそ悼みであらめ