2006-01-01から1年間の記事一覧
アルコオル抜けゆく午後は部屋閉じてシュレーディンガーの猫となり果て
今日ひと日雨ほそ長く季節(とき)は満つ つくつくほうし明日鳴き止まん
こおろぎの弱肉強食仕方なくその音は遠く銀河触れあう
茫々と酒飲み終えて虫の音を聞いておつたよ街灯の下
いっせいにつくつくほうし鳴き止んでインテルメッツォ狂おしくあり
孤独死の司法解剖免れて酢となり果てし父の酒捨つ
だくだくと流れる川に雨が降る茶椀一杯水意志を持つ 秋雨に茶椀一杯満つ水も意志持ちてなお氾濫するを
なぜに風なぜに虫の音なぜに月なぜにわたしは秋のさなかで ただの風ただの虫の音ただの月ただのわたしは帽子を脱いで
地から湧き谷に舞い降る秋の音が奇跡であればわたしすら、また
わが秋は谷間に深く沈む駅鉄路に続く篆刻の月
秋に陽は路地裏を舐め塔を切りCTスキャンの鼻梁のあたり
爪を切り瘡蓋を剥ぎ髪を抜く さっきまで私だったものたち
殺される夢見て我は寝返りすただ恐ろしき白き洗面具 切々と死刑求む天動説水金地火木冥王の府 紫陽花は抒情の中に自刃せり雨風大輪のコロセウム 書き入れよ白昼白地図白昼夢酩酊迷走夢のあとさき 炎天下蟻の群れ群れの沸き上がる観念して回り道をする 蟻踏ま…
素人が素面で詠う素粒子のように不確かで曖昧な短歌 sutanka です。