終活
はなびらの肩をよせあうさらさらと謀など話しおりたり
かたばみの恋に気づけどもうすでに閉じて閉じられ言葉はなくて
思い出はクローンのようにわれに似たご都合ばかりを懐妊したり
「永遠」と名付けてあげるウナセラディ消えゆくものだけ求めていずに
佇めばサントワマミー思い出のページをめくる速さがちがう
マーガレット 傾りのはてに風さえも白をいだきて夏をのぼりぬ
争いも夕べの花も窓ぎわに寄り添う影となりて候
無性という生の言葉を使わぬか論理などで誤魔化しもせず、ん?
落葉の尽きることなき径を経てランタナ灯もる町へ入りぬ
その先の明るくあればもう少し楽しむための切符をください
あの角を曲がればいいのね残り香に切なく日々が終わるとしても
頬杖の夜明けもありし白昼の行きだおれもあり酒うまし日は
利き腕も左の腕もさしだして神のよだれのごとき点滴
終活のひとつにせむとS席のキース・ジャレットをいちまい求む
誘われて逝くのであればそれはもう存外のことでした母さん