もうきみを失うこともなかりけり始まらぬ芝居の幕があく バス停のベンチにすわる男おりただ見送るだけの男なり これからは腹話術の時代がくるよわたしでもないあなたでもない 猛暑日に汗の流れる正しさよ他人の口を借りることもなし 鼻歌をお風呂でうたう癖…
水菓子のたとえばそれは傷ついた鳥をつつんだ手の椀に似て 包むという生殺与奪おおいなる咎でありしか説かれる愛は そう、たとえば机のうえのノートにもはにかむような血の痕があって 日記にはいまだに涸れぬみずうみにさまようきみの航跡のあり ひたすらに…
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